台中生まれのイラストレーターFanyuが教える「リアルな台中の魅力」とは【台湾通信Vol.4】

今回の台湾通信は台湾人ライターチョウさんが、今台湾で大人気のイラストレーターFanyu(ファンユー)さんのインタビューと新刊の見どころを教えてくれました。

台中出身のFanyu(ファンユー)ってどんな人?

台中のイラストレーターFanyu(ファンユー)の近影

Fanyuは台湾台中生まれの若手イラストレーター。学生時代は美術専攻ではなかったそうです。しかし、大学時代からずっと日記や旅行ノートにイラストを書いていたそうです。Fanyuは、台北の大学を卒業してから、そのまま台北で就職しました。

仕事のかたわら、親友の勧めでイラスト日記を2014年からWebに発表し始めたそうです。その後Webサイトを見た出版社の方から声をかけられ、本を出すことになったそう。その後、イラストの仕事が増え、フリーランスになったとのこと。現在は台中で活動してる彼女は今までフランスや日本、台湾の生活と旅をイラストにまとめ、3冊の絵日記的な本を出版しました。

Fanyu(ファンユー)さんが執筆した本

1冊目は台北や東京、パリを旅した『手絵旅行日和』。2冊目は1ヶ月京都に滞在した日々を描いた『手絵京都日和』。3冊目は香川でのワーキングホリデー生活を綴った『手絵香川日和』。(※原書のタイトルでは「絵」は旧字体)

繊細な文字と可愛らしいイラストが特徴的なFanyuの本は、瞬く間に人気に。今では、台湾の読者に愛されるだけではなく、なんと京都の有名書店『恵文社』でも販売されているそう

そしてFanyuは、2017年12月に台中をテーマにした『手絵台中日和』を発売しました。そこで今回、Fanyuとともに「台中」の魅力を紹介します。

『手絵台中日和』の表紙には台中のランドマークや台中生活を代表するイラストが。例え自然科学博物館の恐竜や名物の洪瑞珍(ホンルイヂェン)サンドイッチ、毎日見かけた裕隆汽車(ユーロン)の旧車、そして台中とのつながりを代表する実家が経営してる工場のねじ。

 

台中の色とは暖かい黄色?

台中とは台湾中部に位置し、台北に次いで人口が多い都市。台北からは新幹線で約1時間、電車やバスを使えば2時間半で行くことができます。日本統治時代には小京都と呼ばれていたとか。実は日本でも大人気のタピオカミルクティーはなんと台中生まれって知っていました? 台中人の発想力ってスゴイですよね。

そんな台中で生まれ育ったFanyuが執筆した『手絵台中日和』。気になる内容を本人に聞いてきました。

チョウ今までほとんど外国の風景や生活を描いていましたよね。なぜ今回台中のイラストを描こうと思ったのですか。

Fanyu台北から台中に戻ってから、ずっと台中のことを描きたいと思っていました。でも描いたイラストがまだまだ足りてなかったいから、もうちょっと置いておこうと(笑)。でも台中で生活を続けていく中で、日ごとに台北と台中の違いや、台中にしかないささやかなことに気づくようになりました。台中生活を初めて3年が経ったころ、その発見をまとめ、『手絵台中日和』を描いくことにしました。

チョウFanyuにとって台北と台中の違いって何ですか。

Fanyu台北はおしゃれで賑やかな都市だから、面白いスポットがたくさんありますね。台中はビルや施設の外見は派手だけど、中身にあるコンテンツの雰囲気はやわらかい。台中は台北に比べると、色んなことをするのに時間がかなりかかるし、過程もしんどい。だからこそのんびりマイペースで進めていくことが大事。だから、台中の「色」と言えば、暖かくてやさしい黄色だと思います。

チョウ今回の『手絵台中日和』で、台中のお店をたくさん描きましたね。日本の読者におすすめしたい台中のオススメコースは?

Fanyuまず、朝食のために台中の西区にあり、80年近くの歴史がある『第五市場』へ行ってほしいですね。『第五市場』は日本統治時代に漬物の屋台からどんどんお店が増えて、市場になっていきました。

今では多くの朝食ジャンルのお店が立ち並び、「朝食の街」のような市場になっています。ワンタンや焼餅、蚵仔粥(オアゾォ:かきのお粥)、麺線など伝統的な台湾式朝ごはんを満喫できます。「台中式」の朝ごはんを体験してみたいなら、「焼きそばと豬血湯(ヂューシュエタン:豚の血を固めて作った豆腐のスープ)」というセットはぜひ試してほしい!

『第五市場』にある『樂群早點(ラチュンザオディェン)』のメインメニューは焼蔥餅や焼餅なのです。ソーセージや滷蛋(ルーダン)という伝統的な台湾式おつまみも食べられるから、食で『台中』を体験できます。(出典:『手絵台中日和』)

Fanyuもし1軒のお店しかオススメできないのなら、『佔空間Artqpie』をあげたいです。『佔空間Artqpie』とは古民家をリノベーションし、あちこちで集めてきた書籍やZINEが展示・販売されている小さい図書館のようなスペース。『佔空間Artqpie』が行う展覧会や出版品を見れば、台中の若者の生活がわかるようになると思いますよ。

『手絵台中日和』でのお店のオーナーさんたちへ台中についての取材も書いてあります。(出典:『手絵台中日和』)

チョウ最近、台中出身以外の人も台中に移住して、新しいお店を開いたアーティストやクリエイターが増えています。若者が活躍できる都市だと思います。

Fanyuお店以外でオススメは、中区にある『Old Town Walk』というツアーイベント(英語のガイドあり)は、歴史や文化の興味がある方にオススメです。

台中を研究すればするほど興味が湧いてきたFanyuは自身もOld Town Walkに参加しました。(出典:『手絵台中日和』)

Fanyu:実は学生時代のとき、歴史には興味がなかったんです。でもOld Town Walkに参加するうちに、台中は歴史とストーリーに満ちた街だと気づいたんです。例えば、この街は100年前にどういう暮らしをしていたのか。近くにどんな歴史的な建築があるのか、実際に歩いて見て回ることは、本を読むよりも面白いんです。

チョウFanyuの新作を読んで、台北人の私も台中って面白いって思いました。

 

いかがでしたか。
Fanyuの紹介やイラストを読むと、なんだか台中に行きたくなってきますよね。

最近、写真家川島小鳥さんが『愛の台南』を発行した影響もあってか、台北のみならず南の方に行く日本の観光客が増えてきました。それに、『BRUTUS』の台湾特集では台南の街の写真が表紙に選ばれました。今台南ブームが起こっていると、台湾ではよく耳にします。

でも、台北と台南の真ん中にある「台中」を忘れないでほしいです。今回、Fanyuは子供の頃から慣れ親しんだローカルな食べ物をたくさんイラストを描いてくれました。グルメ以外にも、おしゃれなお店やスポットにわざわざ足を運び取材し、台中在住の若者のリアルなライフスタイルも紹介してくれました。台北出身の私も今から台中に行きたくなっています! 台北から1時間で着けるから、弾丸旅行でも問題なし。Fanyuの本を読んで準備しておきましょう(笑)

最後、Fanyuのイラストと台中が気に入ったら、Fanyuの台中でもイラスト展示にも行ってみてくださいね。

 

《手絵台中日和》原画展

佔空間Artqpie

開催日:2018/1/17(水)~2/25(日)
開催場所:台中市西區中美街135號
営業時間:水曜〜土曜15:00~20:00,日曜15:00-18:00,月、火曜定休
入場無料

テキスト・写真: チョウ(趙卉加 Chao HuiChia)FBページ
編集:岸本洋子 @yoko_taiwan

 

台湾人ライターチョウってこんな人

台北在住の台湾人。日本カルチャー専門誌『秋刀魚』の元エディター・ライターを経て、現在はフリーでライター・翻訳者として活動中。これまでずっと日本のあちこちを取材してきたが、今回日本のことではなく、改めて地元台湾の良さやカルチャーを発信したいと思っている。よく芸人っぽいと言われるが、中身は結構老けている。純喫茶とあがた森魚など昭和時代のフォークソングが大好き。