【インタビュー】柔らかくて甘い世界。イラストレーターmichun

観るだけで柔らかさを感じるような台湾出身のイラストレーターmichunのイラストの数々。先日台感で行われた個展では、毎日多くのファンが彼女の絵を求めて足を運びました。会期中に彼女に独特のゆるむ柔らかなイラストが生まれた理由について聞いてみました。

michunの答えは…甘党だから!

 


—まず、個展:鬆鬆 LOOSEを紹介してください。

今回の個展は「日本の銭湯」をテーマにしました。数年前に日本に旅行している時、偶然に初めての銭湯に行って、気持ちが良すぎて、すぐ好きになりました。庶民的な建物の中で、地元のおばちゃんだけではなく、観光客もみんな同じお風呂にいて。湯船に浸かっていると、いろんな国の言葉が聞こえてきて…、人情に溢れる銭湯が面白いなぁと。

。観光客にとって、入浴料金はコーヒーと同じくらいの値段。そんなお手頃価格で、汗を流せるし足の疲れも解消できるし、メリットしかないじゃないですか? なので初銭湯のあとは、旅行のテーマを「銭湯の旅」にして、たくさんの銭湯を巡りました。(笑)

そんな旅行中に出会った銭湯から「鬆鬆 LOOSE」というシリーズが生まれたんです。

 

—個展名「鬆鬆 LOOSE」のコンセプトやこの名前にした理由とは?

台湾語で「鬆」とは「ほっとする」という意味があります。私の作品を通じて、見る人が少しでも癒されたらいいなと思っている。また絵を描いてるうちに、私自身も癒された気がしました。

 

—絵を描くのは、リラックス方法のひとつなんですね。

そうなんです。手を動かすことで癒されました。私は機嫌が悪い時、現実に不満がある時こそ、柔らかく心地いい作品を描けようになるんです。絵に自分の願望を描き入れられたのかも。みなさんにも私の作品を見ると、心地いいと感じて欲しい。

 

—自分は作品の特徴が何だと思いますか。

女性の動きのあるポーズが得意。昔友達からは、女性を魅了するパステルカラーを使う癒しの絵と言われたこともあります。強い色はあまり使わないから、ロマンチックな印象を与えているのかな。特に枯れ葉色や白色、クリーム色をよく使います。これらの色は混ざりあうことでお菓子のようにみえてきます。きっとわたしが無類の甘党だからなのかも(笑)

—これまで過去行った個展と今回の個展の違う点や、こだわったところ?

やはり日本初個展を開催したこと。日本の個展のために、オリジナル風呂敷やバッグも作りました。日本人は日常でよく風呂敷を使うそうだと聞いたので、布小物を作ろうと思っていた。

個展が始まると、私のことを知っていて、わざわざ個展を見に来る日本人の方がいてとてもびっくりした。インスタグラムを通じて私の存在を知ってくれていたのだそう。「銭湯」というテーマは台湾人にとっておもしろいと思うが、意外に日本の方も興味があるそうです。あとは台湾人の目線での日本はどんなところなのか気になっているみたい。

—今後はどういう活動をしていきたいか?

今までは、一年間の二ヶ月は働かずに真剣に絵を描いてきましたが、なかなか大変ですね。だから今後は日記を書くように、毎日少しずつ絵を描く時間を確保しようと思っている。毎日の絵を集めて、シリーズ化して発表していきたいです。

 

—michunにとって台湾品質(台湾らしい特別なところ/良さ)とは?

台東とか日月潭かな。台湾はちっちゃいから、1日で海にも山にも行けるというところが好き。

テキスト・写真: チョウ(趙卉加 Chao HuiChia)
編集:東 洋子

 

台湾人ライターチョウってこんな人

台北在住の台湾人。日本カルチャー専門誌『秋刀魚』の元エディター・ライターを経て、現在はフリーでライター・翻訳者として活動中。これまでずっと日本のあちこちを取材してきたが、今回日本のことではなく、改めて地元台湾の良さやカルチャーを発信したいと思っている。よく芸人っぽいと言われるが、中身は結構老けている。純喫茶とあがた森魚など昭和時代のフォークソングが大好き。
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